2024年 学生ボランティア募集

ヒューリック株式会社 × 東京大学大学院工学系研究科 社会連携講座
「真にインクルーシブな自然体験学習システムの創成」にて実施する
自然体験教室「自然に学ぶみんなの学校」のお手伝いをしていただく学生ボランティアを募集します

自然に学ぶみんなの学校 概要

東京大学大学院工学系研究科では、自然とのふれあいを通じ、子ども達の地球環境に対する興味と関心を高めることを目的として、五感を使って自然を学ぶ小中学生対象のサマーキャンプ「自然に学ぶ夏の学校」を、2015年から実施してきました。こうした活動のなかで私たちは、「自然とのふれあいの中で感じる驚きや感動」「高い専門性と知識をもった教員・学生との交流を通じた、自然科学に関する深い学び」が、参加した子どもたちにとって、地球環境への興味関心を喚起し、さらに、自分自身の人生を決めるきっかけにもなることを確認してきました。しかし、従来の体験型学習は開催地での現地参加を前提としているため、難病などにより外出が困難といった身体的事情や、開催地との距離、経済的事情などの様々な理由により、現地での体験学習への参加が難しく、自然体験の機会が得られない子ども達も多くいます。

そこで私たちは、情報通信技術(ICT)を駆使して、体験型学習の「現地参加が必須」という前提を取り去ることで、こうした子ども達も参加可能となる、「真にインクルーシブ」な自然体験学習システムを構築できないかと考えました。自然体験学習にICTを導入し、遠隔参加の子ども達のいるメタバース空間と、現地参加の子ども達のいる実空間を融合することで、遠隔でも主体感をもって参加できる双方向コミュニケーションを図ります。さらに、ボディシェアリング技術を活用することで、実際に手にしていなくとも物体の重さや抵抗感を感じることが可能な、「実感を伴う遠隔体験学習」の実証を行います。以上の取り組みを通じて、あらゆる環境・境遇の子ども達が等しく自然を体験し、深く学ぶことが可能な自然体験学習システムの構築を目指します。

そして今回、私たちの活動にご賛同いただいたヒューリック株式会社とともに、2023年4月に東京大学大学院工学系研究科に「社会連携講座」を設置しました。社会連携講座とは、公共性の高い社会課題について、本学と共同して研究を実施して問題解決をしようとする民間等外部の機関から経費を受け入れ、設置される講座です。本社会連携講座は、上に述べました新たな自然体験学習システムの場を創成するとともに、その研究開発を通じて若手の育成も目的としています。

プレスリリース発表
https://www.t.u-tokyo.ac.jp/press/pr2023-04-10-001

本講座では、「インクルーシブ自然体験学習システム」を実証するため、2024年7月28日~7月30日の日程で,小中学生を対象とする自然体験学習イベント「自然に学ぶみんなの学校」を開催します。そのために、本イベントの運営のお手伝いを通じてインクルーシブ自然体験学習システム開発に携わっていただく学生ボランティアを募集します。

自然に学ぶみんなの学校 詳細

自然に学ぶみんなの学校は、これまでに工学系研究科が実施してきた「自然に学ぶ夏の学校 むし・ほし・いし」の2泊3日と同様に、むし(昆虫)、ほし(星空・天体)、いし(岩石・鉱物)に関する体験活動を実施します。さらに、それらの活動にICT機器を導入することで2Dメタバース上に配信し、主体的・能動的にオンライン参加できるプラットフォームを開発します。また、入院中や長期療養中の子ども達も参加できるよう、身体感覚を共有する「ボディシェアリング」技術をメタバースと組み合わせることで、「実感を伴う自然体験」そのものを遠隔共有するシステムも開発・実装します。学生ボランティアの皆さんには、「自然に学ぶみんなの学校」における、子供たちの引率・監督、ICT機器の管理・操作、安全管理、自然体験学習実施補助などを行っていただく予定です。この活動の中で、自ら主体的にタスクを見出して臨機応変に取り組んでもらえればと思います。そして何より、ボランティアの方にも、今回の「みんなの学校」において子ども達との自然体験学習をぜひ心から楽しんでいただけたら幸いです。

むし 昆虫の観察・採集

昼間には、子ども達とスタッフが森を歩き回り、捕虫網やたたき網といった用具を用いて草陰や木々に潜む昆虫を採集し、観察します。また、皆でバナナトラップやベイトトラップ(落とし穴トラップの一種)などを作り、エサに誘きよせられた昆虫を観察する活動も行います。 夜には、森の中で灯火器具を用いて虫をおびき寄せ、クワガタムシやカブトムシなどを採集・観察します。この灯火採集は、カミキリムシやガなども含め、さまざまな昆虫たちが、生きて飛ぶ姿を間近で観察できるため、普段は見ることのできない自然のダイナミックさを体験できる、最も盛り上がる活動の一つです。

採集した昆虫は、昼間にルーペや顕微鏡を用いて観察するとともに,飼い方のレクチャーなども行います。発展的な内容として、昆虫の詳細な観察を通じて、分類・同定にチャレンジしてもらうことも考えています。 自然に学ぶみんなの学校では、オンライン参加向けに、昆虫観察・採集の様子を手持ちのライブカメラを用いて配信したり、360度カメラを用いてオンライン参加者が自分で視点を自由に変えられるような配信することで、昆虫採集を疑似体験できるシステムを構築します。

ほし 星空や天体の観察

街から遠く離れ、街明かりのない暗闇を彩る美しい星空を皆で眺めたり、望遠鏡や双眼鏡で惑星や星雲、星団などを観察します。皆で星空や天体を見ながら、星座の話や、宇宙の話をすることで、感動とともに宇宙の広さや不思議さも知ってもらいます。

宇宙と私たちの社会の関連性はあまりないように思えますが、宇宙の物質は、流れ星や隕石として地球に多く降り注ぎ、人類最初の鉄資源となったり、気候変動を起こしたりしてきました。このように、広大な星空を眺めながら、宇宙への新しい見方を、子ども達に知ってもらいたいと考えています。

自然に学ぶみんなの学校では、オンライン参加者向けに、広角カメラを使って星空のライブ配信をするとともに、望遠鏡に取り付けたカメラによって、それぞれの天体のライブ配信も行います。ライブ配信しながら星空や天体の話をすることで、その場で星を見ているような体験を実現したいと考えています。

いし 鉱物・岩石の観察・採集

室内で様々な種類の岩石や鉱物に実際に手に取ってさわってもらい、その色や輝き、重さや形を実感してもらいます。また、観察して気づいた特徴・質感をノートに記録したり、スケッチをしてもらいながら、子ども達と石について深く話をすることで、身の回りにある石の不思議さや美しさを知ってもらいます。さらに、石の特徴を深く知ってもらうため、鉱物を加熱して発光させるといった実験も行います。

発展的な内容として、フィールドにある露頭から実際に岩石を採取し、その岩石や大学から提供した岩石をハンマーで割り、岩石を構成する鉱物を顕微鏡で観察する活動も行おうと考えています。 自然に学ぶみんなの学校では、オンライン参加者向けに、手持ちのライブカメラを用いた鉱物観察の様子の配信や、360度カメラを用いてオンライン参加者が自分で視点を自由に変えられるような配信を行います。

また、オンライン参加限定のコンテンツとして、普段は立ち入ることのできない鉱山の坑道内の探索を行い、その様子を配信する予定です。

まとめの学習

イベントの最後に、これまでに体験してきた、むし、ほし、いし、について、最新の科学的視点に基づいて改めて深く学んでもらうため、東京大学の教員と学生によって双方向形式の講義を実施します。たとえば、石がなぜ発光するのか、昆虫がなぜそのような形をしているのか、資源がなぜできたのか、宇宙と地球と人間の関係について、など、身の回りの現象に科学的視点を導入することで見えてくる、自然の面白さを学んでもらおうと考えています。

実空間とメタバースの融合

自然に学ぶみんなの学校が目指しているのは、ICTを駆使して実空間とメタバースを融合することで、オンライン参加であっても現地参加と同等の、能動的・主体的な自然体験を実現することです。 そのために、各自然体験活動コンテンツを、ICTを駆使して配信します。配信内容は、現地の会場を模した二次元メタバース上に配信し、オンライン参加者は自らのアバターを操作して、配信コンテンツや会話を選んで参加してもらいます。現地には、オンライン参加者の声と顔を届けるため、モニターや双方向音声通信が可能なスピーカーマイクなどを設置します。

もう一つ、インクルーシブ自然体験学習システムの重要な技術として、ボディシェアリングを採用します。ボディシェアリングとは、重量感覚や抵抗感覚などの体の深いところで感じる身体固有感覚を、センサーやロボットなどを用いて伝達することで、「体験」そのものの遠隔共有を実現する技術です。ボディシェアリングを使えば、鉱物を持って自在に動かしたり、その重さや触感を遠隔で感じることができます。ボディシェアリングを用いた体験学習は、長期入院中の子ども達に体験を提供するため、東京大学医学部付属病院小児科、および、公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパンのご協力を得て、実施します。

ボランティア募集要項

ボランティア募集締切

2024年6月21日(水)

募集人数

30名程度

自然に学ぶみんなの学校 開催日時

2024年7月28日(日)~7月30日(火)

現地リハーサル日時(可能な限り参加してください)

2024年7/13 (土)~7/15 (月祝)

費用

費用負担なし、旅費(宿泊費、日当)支給

応募方法

下記フォームに必要事項を記入しお送りください。 https://docs.google.com/forms/d/1EUq0uO73d_Gii6T02kHt6738_zG0iSijXPJjgrBG2YE/edit

お問い合わせ

東京大学大学院工学系研究科エネルギー・資源フロンティアセンター 講師 大田隼一郎 junichiro.ota[atmark]sys.t.u-tokyo.ac.jp

東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻 特任助教 桑原佑典 y-kuwahara[atmark]g.ecc.u-tokyo.ac.jp

※出張等でご連絡が遅れる場合がありますので、可能な限り上記2名のアドレスを入れてお問い合わせください。

※[atmark]を@に変更してください

運営者紹介

東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻 加藤・中村・安川・大田研究室 研究室HP https://kato-nakamura-yasukawa-lab.jp/

東京大学大学院工学研究科エネルギー・資源フロンティアセンター 講師 大田隼一郎 個人HP https://junigeo.jp/